転職時を考えている方にとって、求職中に支援を受けることができるかどうかは大きな問題ですよね。
そこで、転職を支援してくれる制度などについて紹介していきます。
転職前に自分はどんな支援を受けられるか参考にしてみてください。
失業給付
失業給付は、会社を辞めて求職しているときに条件を満たすことで受け取ることができる給付になります。
条件
条件は、働く意思があって、現在求職中であること及び雇用保険に基本的に1年以上加入していうことです。
雇用保険に関しては、退職理由が会社都合などの場合には6ヶ月以上まで短縮されます。
この給付はもらえる日数が退職時の条件によって変わってきます。
この日数には、退職理由や勤続年数、年齢といったものが関わってきます。
特に退職理由については退職後に会社都合か自己都合かがあいまいになっていることが明らかになる場合もあるので、事前に明確にしておく必要があります。
具体的には、自己都合の場合には年齢は関係ありません。
被保険者であった期間が10年未満の場合は90日間、10年以上20年未満なら120日間、20年以上なら150日間受け取ることができます。
会社都合の場合には、被保険者であった期間が1年未満や1年以上5年未満かつ年齢が45歳未満の場合は90日、それ以外の場合には年齢などを踏まえて、120日から330日の間で設定されます。
自分の意思での退職でない会社都合の場合の方が急に仕事がなくなってしまうことになるので、長期間になります。
自ら転職をするという方は自己都合となることが多いでしょう。
給付額
この給付でもらうことができる金額は、離職前の直近の6か月間のボーナスを除いた給与の合計を180で割って得られる「賃金日額」によって決まってきます。
給付額はこの賃金日額のうち60歳未満は50~80%、60歳以上の場合は45%から80%を日額として、給付日数の上限内で失業日数分もらうことができます。
手続き方法
手続きはハローワークで行います。
その際には会社で発行された離職票がひつようになります。
注意点としては、申し込みをしてから7日間は待機期間と呼ばれていて、失業給付を受け取ることができません。
また、失業給付は離職日の翌日から1年間の間しか受け取ることができません。
そのため、離職後は早く手続きをすることが大切です。
再就職手当
再就職手当は、失業給付をもらっている間に就職が決まった場合に受け取ることができる手当金です。
再就職を促進することが目的の制度です。
条件
この手当をもらうための条件は、就職した前日の時点で失業給付の支給日数の残りが三分の一以上残っていることと、再就職先で確実に1年を超えて勤務することです。
そのため、短期的な雇用の場合にはこの制度を受けることはできません。
また、早期での再就職を促進するための制度なので、失業給付の残り日数も重要になってきます。
給付額
もらえる金額は、失業給付の支給日数があとどれだけ残っているかによって変わってきます。
まず、支給日数が三分の二以上残っている場合には、基本手当日額×支給残日数×60%となります。
この基本手当日額は、失業給付の際のものが参考にされます。
支給日数が三分の一以上三分の二未満の場合には、基本手当日額×支給残日数×50%となります。
再就職により新しく給与が発生するようになり、失業状態ではなくなるため、元の金額よりは少なくなります。
また、早期に再就職が決まる方がもらえる金額の割合は大きくなります。
また、追加で給付をもらえる場合もあります。
それは、再就職により、元々勤めていた時の給与から下がってしまった場合です。
この場合は、6か月間仕事を継続することを条件にして、下がった給与の6ヶ月分を一時金として受け取ることができます。
手続き方法
手続きはハローワークで行います。
この際には受給資格者証と再就職手当支給申請書が必要になってきます。
この手続きは再就職した日の翌日から1ヶ月以内に行う必要があります。
教育訓練給付金
教育訓練給付金とは、厚生労働省が指定している教育訓練講座を受講して終了した際にその際に必要になった入学金や受講料を一部支給してもらえる制度です。
この制度は在職中にスキルアップ、キャリアアップのために使われるものとして有名ですが、求職中でも申請することができます。
条件
教育訓練給付金を受け取るための条件は、受講開始日までの時点で雇用保険の被保険者であった期間が初回に限り1年以上、それ以外の場合には3年以上であることだけです。
雇用保険は在職中に入ることになります。
支給額
もらえる金額は、入学金や受講料がいくらかかったによって変わってきます。
それらにかかった費用が4,000円以上である必要がありますが、10万円を限度として、受講費の20%を受け取ることができます。
4,000円未満の場合にはこの制度は受けることができません。
手続き方法
教育訓練講座の受講修了後に、受講者の住所の管轄のハローワークで書類を提出することで手続きができます。
注意点として、この手続きは受講修了の翌日から1ヶ月以内に行う必要があります。この期間を超えてしまうと申請自体ができなくなってしまいます。
住宅確保給付金
住宅確保給付金は、離職中に収入がなくなってしまうことで住まいを失ってしまう恐れがあるか失ってしまった場合に給付を受けることができる制度です。
条件
条件は離職した日から2年以内でかつ65歳未満であること、ハローワークに月に一定回数以上通って熱心に求職していること、離職時に家賃などの生計を支えていたことです。
世帯としての収入が決められた一定の額以下である必要もあります。
また、その名の通り住まいを確保するためのものなので、離職が原因で家賃を支払えないなどの理由で住まいがなくなった、もしくはなくなりそうという場合のみ受け取れます。
先ほどまでの制度は求職中に受け取れましたが、この制度はさらに危険な状況にいる場合に受け取る物になります。
支給額
この給付の上限額に関しては、地域や住む人数によって異なっています。
東京都の場合には、単身世帯の場合には5万3,700円、2人世帯なら6万4,000円までとなっています。
手続き方法
手続きに関しては、全国の自立支援相談機関が行っています。この際には、本人確認書類や離職票などの離職したことが証明できる書類、直近3ヶ月分の収入関係の書類、通帳などの口座関係書類が必要になってきます。また、ハローワークで求職している証明として、求職受付票も必要になります。これはハローワークで交付してもらえます。
実際に計算してみよう
では、実際に離職時の状況を設定して、給付をどれだけ受け取ることができるか計算してみましょう。
ここでは状態によって変化する失業給付と再就職手当について紹介していきます。
失業給付
過去6か月間の給与合計が180万円で、自己都合で転職のために仕事を29歳、被保険者期間が6年で辞めた場合で考えてみます。
この場合、給付日数は90日間、基本手当日額は5,705円と計算されます。
この基本手当日額は場合によって変わってきます。
この結果、総額は51万3,450円になります。
離職前にWebサイトなどでも簡単に計算できるので、事前に計算しておくと計画が立てやすいでしょう。
再就職手当
先ほどの失業給付の時と同じく、給与合計が180万円、自己都合退職の29歳、被保険者期間が6年、給付日数が90日間、基本手当日額が5,705円の状態で考えていきます。
残りの給付日数が65日だった場合には、支給日数が三分の二以上残っているとします。
その場合には、基本手当日額(5,705円)×支給残日数(65日)×60%となり、222,495円を受け取ることができます。
また、再就職のために給与が15,000円下がってしまった場合にはさらに90,000円受け取ることができ、総額は312,495円になります。
まとめ
転職の際には、転職先の仕事をどうするかというのは一番大きな問題です。
離職前に探すことができれば一番ですが、常にそれができるというわけではありません。
離職時に転職先が決まっていない場合には収入がなくなってしまいます。
そんな時に頼ってほしいのが今回紹介したような支援制度です。
ですが、これらの制度は自分から知ろうとしない限りなかなか知る機会がありません。
ハローワークなどで紹介してもらえる場合もありますが、知るのが遅くなったために損してしまうという可能性もあります。
これらの情報を離職前に知る方法としては、転職支援のサイトなどがあります。
事前に相談したりできない場合には、情報を仕入れることができます。
それ以外にも当然、転職に役立つ情報もたくさんあります。
ぜひ転職を考えた際には参考にしてみてください。